Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
警官たちはいっせいに、屋根の上を見つめました。月の光にてらされて、怪人はフワリと宙に浮きました。避雷針をはなれて、横たおしになり、それから、スレートの屋上をすべって、空中を、スーッとおちてくるのです。ヒラヒラする黒マントの羽が、みるみる大きくなり、人々の頭の上に、あのおそろしい虎の顔をした怪物が、ふってきたのです。警官たちは「ワーッ。」と言って飛びのきました。そして、怪人が地上にころがったのを、たしかめると、またそばへよって行きました。警官たちでつくられた輪の中に、二十面相の魔法博士は、生きているのか死んでいるのか、じっと横たわったまま動きません。それが、青い月光にてらされて、まるで火星人かなんかのような、ふしぎな姿に見えるのです。明智探偵は、警官の輪をはなれて、ツカツカと怪人のそばへ近づきました。そして、怪人の足のところに、しゃがんで、何かカチッと、音をさせたかと思うと、立ちどまって、こわきにかかえていた猟銃をとりなおし、その台座を怪人の腹のへんにあてて、グッとおさえつけました。すると、オヤッ、どうしたというのでしょう。怪人はブルブルとからだを、ふるわせて、スーッと消えていくように見えたのです。