Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
きみもおのみ。」
そう言って、粉を入れたほうの紅茶を文代さんの手もとにおくのでした。ふたりは、その紅茶を、ゆっくり、のみおわりました。
「オヤ、どうしたんだい。へんな顔をして。」
「オオ、にがい。にがい紅茶ね。どうしたのかしら。」
「気のせいだよ。サア、したくだ、外出のしたくだよ。」
しかし、文代さんは、立とうともしないで、じっと、にせ明智の顔を見つめています。
「オイ、どうしてぼくの顔を、そんなに見つめるんだ。なにかへんなところでもあるのかい。」
「へんだわ。あなたの顔、へんよ。」
文代さんの目は、いたいほど、にせ明智の顔に、くいいっています。
「ハハハハハハ、何を言っているんだ。きみはまだ、寝ぼけているんだろう。」
「いいえ、そうじゃありません。あなた、明智小五郎じゃないわね。だれなの。あなた、いったい、だれなの?」
文代さんは『吸血鬼』という事件で、えらい手がらをたてた美しい婦人探偵です。その事件のあとで、明智探偵と結婚したのです。ですから、変装を見やぶる、するどい目を持っています。二十面相の変装は、だれが見てもわからないほど、たくみなのですが、明智夫人の目を、ごまかすことはできなかったのです。