Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

二十秒もたつと、すっかりなぞがとけてしまいました。そこは広っぱどころか、わずか一坪ほどの小さな部屋にすぎなかったのです。

読者諸君、おわかりですか。わずか一坪の部屋に、どうして、そんなにたくさんの少年がいたのでしょう。

二十秒ほどたったとき、まず、ふたりが気づいたのは、上下、左右、前後をヒシヒシとかこんでいる、何百人の顔が、みんな同じだということでした。いや、正しく言えば、ふたいろの顔でした。つまり、小林少年の顔と、勇一君の顔と、そのたったふたいろの顔が、数かぎりなく、ならんでいたのです。

自分とまったく同じ少年が、何百人もいて、それがウジャウジャと、まわりをとりかこんでいたのです。もうわかったでしょう……。それは八角形につくられた鏡の部屋だったのです。

八角形になったかべが、ぜんぶ鏡ではりつめられ、天井も鏡の板、ゆかもあついガラスの鏡、その小部屋は、どこにも鏡でないところはないのです。そして、天井とかべと床のすみずみに、小さいくぼみがあって、その中に一つずつ電灯がついていました。つまり十六個の電球が、四方八方からてらしているわけです。

なぞはとけましたが、でも何百人という自分の姿に、かこまれているのは、あまりいい気持ちではありません。