Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
どこかへ客をおくった帰りらしく、「空車」というふだが出ています。
「先生、うまいぐあいに、空車がきましたよ。あれにたのみましょう。」
運転手が、その自動車を呼びとめてくれたので、明智は、なんの気もつかわず、それに乗りこんでしまいました。さすがの名探偵も、まさかあんなことが、おころうとは、夢にも思わなかったのです。
その自動車は、タクシーにしては、すこし、りっぱすぎるようでした。そとから見たのでは、そうでもありませんが、中の腰かけなどは、あたらしいきれで、はってあって、そのかたちも、どことなく、ふつうの自動車とちがっていました。
行くさきをつげると、その自動車は、おそろしい速力で、走りだしました。いくつか町かどをまがってゆくうちに、あたりのようすが、だんだんさびしくなり、いつのまにか、広い原っぱにさしかかっていました。
「おい運転手君、道がちがやしないかい。警視庁へゆくのにこんな原っぱは通らないはずだが。」
明智が声をかけますと、運転手は、むこうをむいたまま、みょうな笑い声をたてました。
「エヘヘヘ……、今ごろ、気づいたのかね。名探偵にしちゃあ、すこしかんがにぶいですね。