Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
「にせの中村係長と黒川記者が、ゆうべ、文代をだまして、つれだしたのですね。すると、ほんものの黒川記者は、どうしたのでしょう。中村係長が、ねむりぐすりをのまされたのだから、同じ部屋にいた黒川君も、係長といっしょに、グッスリねこんでいたと言うのなら、わかるが、ねむらされたのは係長だけで、黒川君はどこへ行ったのか、いまもって、すがたを見せない。これは、いったい、どうしたわけでしょう。黒川記者はどこへ、消えてしまったのでしょう。」
明智は、そこで、ことばをきって、グルッと部屋のなかを、見まわしました。みな、だまりこんで、明智の顔をみつめています。
「しばいのぶたいを、客席のほうから見たのと、がくや裏のほうから見たのとでは、ひじょうな、ちがいがあります。舞台の美しい背景も、裏からみれば、木のわくに、きれがはってあるだけです。それとおなじように、犯罪事件には、かならず表と裏があります。みなさんが、きょうまで見ていたのは、その表のほうなのです。つまり、客席にすわって、しばいを見ていたのです。
ところが、探偵はけっして客席から見物はしません。いつもがくやのほうから、裏がわを見ているのです。