Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
もう夕方でしたが、いままで暗いところにいたので、にぶい光でも、まぶしいほどです。
そこは廊下になっていて、一方は行きどまりのかべ。一方はべつの部屋につうじています。庭に面したガラス窓をしらべてみると、うちがわから、しまりができていて、そこから人の出たようすはありません。
小林君は、せんとうに立って、廊下の先のべつの部屋へ、はいって行きました。円形のせまい部屋で、小さな窓が一つしかなく、その窓もしめきったままで、別状はありません。まるい部屋のまん中に、ラセン階段があります。そこは、この洋館についている、夢のお城のような、円形の塔の一階だったのです。
もし、魔法博士が、勇一君をつれて逃げたとすれば、見物席のほうへは出られませんから、この塔にのぼるほかに、道はないのです。ほんとうに魔法の力で消えてしまうなんて、考えられないことですから、博士と勇一君は、この塔の上に、かくれているにちがいありません。なぜ、かくれたのか、すこしもわけがわからないけれども、そんなことを考えているひまはないのです。小林君は、グルグルうずまきになっているラセン階段を飛ぶように、かけあがっていきました。