Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
八幡神社のうすぐらい森の中、立ちならぶ木の枝の上、くさむらの中など、くまなくしらべましたが、黒い怪物の影もなく、また神社をかこむ町の人たちに聞きまわっても、あやしいものを見た人は、ひとりもいないのです。
そのうちに、ますます、あたりが暗くなってきましたので、ひとまず、捜索をうちきることにし、警官たちも、ふたりの見はりばんをのこして、本署に帰りましたが、ただちにこの事件は、警視庁に報告せられ、東京中の警察署が、魔法博士と勇一少年をさがすことになったのは、言うまでもありません。
そうしてみんながひきあげてしまっても、小林少年だけは、ただひとり、八幡神社の森の中にのこって、大きな木の幹にもたれ、ボンヤリと考えごとをしていました。
「ふしぎだなあ。あんな黒いヒョウみたいな姿で、森の外へ逃げだしたら、町には、だれか人が通っているんだから、たちまち見つかって、大さわぎになるはずだ。うまく逃げだせるはずがない。もしかしたら、あいつは、例の魔法を使って、だれにもわからないように、この森の中に、かくれているんじゃないかしら。」
そう考えると、なんだかゾーッと背中が寒くなってきました。