Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
「おお、よくねむっていたね。ああ、ついたよ。きみも見おぼえがあるだろう。あのうちだよ。」
車の窓からのぞいて見ますと、もう、しらじらと夜があけて、そのほの白い空に、お城のような洋館が、そびえていました。赤レンガの古い建てかた、つたのはったまるい塔、たしかに見おぼえがあります。それは、勇一少年が行くえ不明になった、あの魔法博士の洋館でした。花田君は、小林団長といっしょに、勇一少年のおうちをたずねるまえ、この洋館を、ちゃんと見ておいたのです。
「おじいさんは、だれですか。ぼく、早くうちへ帰らなければ、うちで心配しているから。」
花田君が言いますと、おじいさんは、それをうち消すように、ニコニコ笑って、
「なあに、心配することはないよ。じき帰してあげる。だが、せっかくここまで来たんだから、あの子にあっていったほうがいいじゃないか。」
「あの子って、だれですか?」
「天野勇一っていう、かわいい子どもさ。」
「えッ、それじゃあ、勇一君が、このうちにいるんですか。」
「そうだよ。さあ、車をおりて。」
どうも、がてんがいきません。魔法博士のうちは、からっぽのはずです。あれほど、みんなでさがしても、ネコの子一ぴきいなかったのです。