Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ここと指さすと、警官は、こんどは、じゅうぶん用心しながら、ドアをひらきました。
「おやおや、ここもからっぽじゃないか。虎の檻は、いったいどこにあるんだ。きみは、夢でも見たんじゃないのかい。」
花田君は一言もありません。たしかに、たしかに、この部屋だったのに、虎の檻なんか、どこにも見あたらないのです。
もしや、花田君が部屋をまちがえているのではないかと、一階の部屋という部屋を、ぜんぶ見てまわりましたが、白い部屋や虎の檻なんて、影も形もないことがわかりました。
「たしかに、一階だったんだね。二階や地下室ではなかったのだね。」
「たしかに、一階でした。一度も階段をのぼらなかったのですもの。」
花田君は、もうベソをかいています。ねんのためというので、二階や塔の中まで、くまなくしらべましたが、みんな、からっぽの部屋ばかりです。
地下室は、炊事場の下に、ひとつだけありました。しかし、そこは、いぜん酒ぐらに使っていたらしく、古い酒だるなどがころがっているばかりで、すこしもあやしいところはありません。ゆかやかべを、たたきまわってみましたが、どこにも秘密の入り口はありません。