Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
そして、三日ほどたった、ある夕方のことです。裏庭のほうからおかあさんのあわただしい声が聞こえて来ました。
「勇ちゃん、勇ちゃん、ちょっと来てごらん。たいへんですよ。ウサギが二ひきとも、ぬすまれてしまった。」
勇一君は裏の納屋の横に、鉄の網をはって、二ひきのウサギをかっていたのです。それがぬすまれたというのですから、びっくりして、そこへかけつけましたが、見ると、鉄の網は引きさかれ、柱はへしおれて、さんたんたるありさまです。だいじにしていた二ひきの白ウサギは、影も形もありません。そのうえ、かわいそうなことには、しきわらの上に、ポトポトと血のしたたったあとが残っているのです。
「さっきなんだかおそろしい音がしたので、もしやと思って見に来たのよ。そうしたらこんな……。」
「人間のしわざじゃありませんね。」
勇一君は首をかしげながら、ひとりごとのように言いました。
「そうよ。人間なら、こんなむちゃくちゃなこわしかたはしないわね。ちゃんとひらき戸がついているんですもの。どこかの、のらイヌがはいってきたのかもしれない。」
「でも、おかあさん、どんな大きなイヌだって、このふとい柱をおったり、鉄の網をこんなにらんぼうに引きさいたりする力はありませんよ。