Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
」
そこまで考えたとき、小林君は、びっくりして、もう一度時計を見ました。
「へんだな。するといまは夕方の六時かしら。ぼくは二十時間いじょうも、寝てしまったのだろうか。」
どうもいまは朝のように思われるのです。しかし、たしかに窓からは日がさしています。きのう夕日のさした同じ窓から、きょうは朝日がさすはずがありません。では、やっぱり、いまは夕方なのでしょうか。
小林君はしばらく考えていましたが、ふとあることに気づいて、いよいよ、わけがわからなくなってしまいました。
「夕日ならば、かべにさしている日の光がだんだん上のほうへのぼって行くはずだ。ところが、さっきから見ていると、いまかべをてらしている光は、すこしずつ下のほうへさがっている。太陽が高くなるにしたがって、そのかげはさがるのだ。だから、この光は、どう考えても朝日にちがいない。」
小林君はなんだか、むずかしい数学の問題にぶっつかったような気がしました。きのう夕日のさした窓から、きょうは朝日がさしている。なんというふしぎな問題でしょう。どんなに知恵をしぼっても、とけないなぞです。
そういうことができるためには、この洋館ぜんたいが、しばいのまわり舞台のように、ひと晩のうちに、クルッと一回転したとでも考えるほかないではありませんか。