Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
「そんな事だろうと思った。もういい」
「帰ってもいいんですかえ」
「いいよ」
辰蔵は虎のを逃れた心持で、飛んで帰りました。
「親分、帰してもいいんですかい、お勢に怨みがあるという野郎を」
ガラッ八は歯痒そうに辰蔵を見送りました。
「いいよ」
「長吉でなく、辰蔵でないとすると、下手人はやっぱりお勢ですか、親分」
「お勢は一番怪しくないよ、――と言うのは、あのたの字が偽筆で、その上、お春とお勢が仲のよかった事も解ったし、第一娘の細腕で、笠の緒で人一人殺せるわけもなく、死体を聖堂裏からお茶の水の崖まで引摺って行けるわけもない」
「すると――」
「解らないな。まるで見当も付かない」
「ヘエ――」
平次がこんな事を言っていると、自身番の前へ、ノソリと立った者があります。
「あっ、旦那、こんなところへ」
「いや、お祭の様子を見に来ると、なにか騒ぎがあると言う話を聞いたが、どうしたのだ、一体」
それは、平次のためには、大事の上役で、その頃吟味与力の利け者、笹野新三郎だったのです。江戸中を騒がせるほどの大捕物には、ずいぶん与力が出張することもありますが、つまらぬ人殺しの現場へ、吟味与力が顔を出すというのは滅多にないことです。