Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
七
とんでもないお間違いです。お民を殺したのは、この私に相違ございません。倅の代りに、私を縛って下さい。お願いです」
路地の中へ、跣足で追いすがる伝右衛門の姿。銭形平次も思わず顔を反けましたが、この六十幾つの半病人が、どんなに奮発したところで、お民を殺せる道理はなかったのです。
七
事件は非常に明快になりました。
何か事情があって、伝右衛門親子は久兵衛に頸根っこを捉まれ、許嫁のお染を捨てて、お民を嫁に迎えなければならぬ破目になり、伝次郎は我慢がなり兼ねてお民を殺したのでしょう。
久兵衛はその事情を知り、証拠の出刃まで拾いましたが、お民は女房の連れ子で情愛も薄かったので、出刃を出羽屋に持込んで、お民の命の代りに三百両の金を強請ったのでしょう。
お民の殺された晩、店から動こうともしなかった久兵衛の様子に不審を抱き、平次はその間の事情を看破して、伏せた桶の中から、血染の出刃を発見し、わざとそっとして置いて、それを久兵衛が持込む先を突き止めたのです。
ここまではトントン拍子に判りましたが、久兵衛が何のために出羽屋を脅かしたか、出羽屋にどんな弱い尻があって、あれほどまで久兵衛に強請られたか、その大事な点は少しも判らず、久兵衛や伝次郎を責めても、その事となると断じて口を割りません。