Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
四
「内障眼のようだね」
「ヘエ」
平次は提灯の灯を竹の市の眼の前へ持って行って、左右へ振ってみましたが、瞳は凝然として微動もしません。
四
それから囲い者のお糸の家へ。
ここは叩くまでもなく開けてくれました。
「ちょっと聞きてえが、先刻この路地へ追い込んだ者があるが、気が付かなかったかえ」
「聞きましたよ、――駆け込んで来て、突き当りの其月堂さんの木戸をこじ開けようとしていた様子でしたが、内外から締がしてあるもんですから、寺の塀へ飛付いて、境内へ逃げ込んだようです」
無口で無愛嬌――と言われるお糸が、思いの外親切に教えてくれます。二十七八の美い年増、丑刻過ぎというのに、帯まで締めて、鬢のほつれも見せないのは、さすがに良いたしなみです。
行灯の後ろから恐る恐る顔を出したのは下女のお喜代、見事な恰幅に、寝巻を引っかけて顫えております。
「八、行ってみよう」
平次は八五郎を促して、もう一度路地の奥へ行ってみました。
「親分、この塀が人間業で越せますか」
崖の上に繞らした黒板塀を見上げてガラッ八は舌を振いました。高さは六尺そこそこですが、崖の高さを併せると八尺余りで、その上、足場の良いところには、用心のために、忍び返しが打ってあるのです。