Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「もう一人の方は」

「おせいといって二十だった。――これはもう十年にもなる」

「不義の相手はどうなりました」

「これも死んだよ。当時三十そこそこの好い男だった。又三郎という遊び人でな、殿様に追われて袈裟掛に斬られたまま、大川へ落ち込んでしまったよ」

「女の身寄は?」

「姉夫婦があった。これも世間の口がうるさいから、多分の御手当で、今以て繁昌している」

平次は少し胸が悪くなりました。こんな乱倫な旗本のために十手捕縄の誇りまで犠牲にして、楊弓の曲者を捕えるのが、何だか馬鹿馬鹿しいような気がしたのです。

六

「親分、どうする積りなんで」

それっきり十日ばかり、ろくに外へ出ようともしない平次を見ると、ガラッ八の方が気を揉み出しました。

「どうもしねえよ。寝溜めだ」

「楊弓の下手人は」

「この十年の間、江戸で高名な楊弓の名人を書き上げて貰って、その道の者に一人一人身元を当らせたが、大村兵庫に怨みのあるような気のきかない人間は一人もない」

「浅五郎は?」

「お町の亭主かい、――丁半の心得はあるだろうが、楊弓などに縁があるものか」

「困ったね。親分」

「放っておくがいい。俺はお上の御用を勤めていりゃいいんだ。