Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
五
「そんな馬鹿な事を考えるより、ちょっと吉原へ行ってくれ」
「お安い御用で」
「何がお安い御用だ。――下手に十手なんか突っ張らせて行くと、物笑いになるよ」
「吉原へ行って何をやらかしゃいいんで?」
「薄雲の客を洗って来るんだ。去年の秋まで勤めをしていたんだから、すぐ解るよ」
「ヘエ――」
「深間でも馴染でも、――とにかく、フリの客でないのをみんな訊き出して来るがいい」
「ヘエ――」
ガラッ八は襟を直しました。行く先が吉原となると、独り者のガラッ八は、商売気を離れて改まった心持になるのでしょう。
五
銭形平次、これほど見事に背負投げを喰ったことはありません。三輪の万七の望み通り、主人の幸七を縛っておけば何事もなかったわけですが、うっかり邪魔をして、幸七をお通夜の席へ連ねておいたばかりに、取り返しのつかぬ大失策をしてしまったのです。
簡単に言えば、溜屋の主人幸七は、上根岸の寮の庭先で、何者とも知れぬ曲者のために、締め殺されているのを、翌る日の朝、これも同じ下女のお金が見つけたのでした。
幸七は小柄な華奢な男で、庭先で後ろから締められたら、大した抵抗も出来なかったでしょう。