Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
三
「…………」
「だがな、八」
「…………」
ポンポン言う下から、平次は何やら考え直した様子でした。
「そう言うのは表向きさ、物事には何でも裏がある。女房の着物を拵えては、世間の目に立つが、干割れそうになっている腹の虫には、たまにお湿りをくれねえと、どうも寿命の毒だ。一杯付き合わねえか、八」
「ヘエ――」
今度は八五郎の方が驚きました。何という訳のわからぬ平次でしょう。
三
「疾風」はその間にも活溌に働いて、神田を中心に、下町一円を荒し廻りました。滅多に仕事をしない代り、よくよく狙い撃ちにやるものとみえて、一度襲撃すると、必ず三十、五十、どうかすると、百二百と纏まった金を手に入れずにはおかないといった、実に凄い手際だったのです。
係り同心からは、随分イヤな事も言われますが、平次はそれっきり活動を中止してしまって、身分不相応の遊びに耽っております。
不思議なことに、「疾風」が仕事をした翌る晩、何かの形式で、必ず平次のところへ、盗んだ金の一割を届けて来るのでした。
「『疾風』は御用聞に金をバラ撒いているんだとよ、捕まりっこはないわけさ」
世間でそんな事を言うのが、ガラッ八の耳へもボツボツ入って来る頃は、お静の眼にも余るほどの平次の脱線振りです。