Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

二

平次はガラッ八を促し立てて、一と走り金沢町へ、何やら第六感をおののかせながら飛んで行きました。

金沢町の油屋の一人娘お春というのは、今年十九の厄、あまり綺麗過ぎるのと、美人にありがちの気位の高いのが災して、その頃にしては縁遠い方でした。もっとも、早くから許した仲の男があるとも言われ、とにかく、噂の種の尽きない性質の娘だったのです。

二

平次が金沢町へ駆け付けた時は、もう行列を揃えて、近辺を練り廻そうという間際、何分肝腎の花形、油屋のお春が姿を見せないので、町内の人達もひどく心配しておりました。その頃はことに、綺麗な娘をすぐって、いろいろに装わせることが流行りましたが、お春は金沢町のピカ一だけに、今年は思い切って手古舞姿になり、町内の若い師匠や、容貌自慢の娘達三四人と、山車の先登に花笠を背負って金棒を鳴らしました。

抜けるような色白、多い毛を男髷にあげて、先をザブリと剪ったのが見得、双肌を脱いで、縮緬の長襦袢一つになり、金沢町自慢の「坂上田村麿」の山車の先登に立つと、全く活きた人形が揺ぎ出したようで、わけてもお春の美しさというものはありませんでした。