Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
「…………」
「本当の下手人は、辰蔵の手拭を盗んだが、たの字が書いてあることに気が付いて、驚いてそこだけ割いて捨てた、手拭の端っこを五分や一寸割いても、誰にもわかる道理はない」
「…………」
「ところが、すぐ、手拭調べが始まった――本当の下手人はお勢に罪を被せたかったが、証拠の手拭の端を割いて捨てたので、お勢の手拭と取換えても何にもならない。そこで、急に思い付いて、お勢が置き忘れて立ち上がった手拭をそっと隠して、その端へたの字を書いた――、間もなく手拭を取りに来たお勢は、そんな細工をされたとも知らずに、恐ろしい手拭を自分の身につけていた」
「…………」
市五郎は次第に引付けられて、もう立ち上がろうともしません。少し離れた捨石の上に腰をおろして、ワナワナと顫えてさえおります。
「お勢の手拭を調べた時、端っこに書いたたの字がまだ濡れていた。辰蔵は昼頃書いたと言うから夜中まで乾かずにいるはずはない。それに、筆蹟も違っている」
「嘘だ嘘だ、そんな出鱈目な事を言って、俺を罪に落そうたって――」
市五郎は不意に立ち上がると、サッと逃げ出そうとしましたが、それより早く身を起したお多福の男は、飛付いて確と襟髪を掴んでしまいました。