Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
「それは気の毒だ。なアに、主人に逢うほどの用事じゃアない。昨夜のことを、お前さんから詳しく話して貰えば、それでいいわけだから」
「内証にしておこうと思ったのは、みんな私の指金で、――素人の悲しさでございます、こんなに早く御耳に入るとは夢にも思いません。私どもにしますと、奪られた三百両より、後で仇をされるのが怖かったんでございます」
番頭の佐吉はクドクド言い訳をしながらも、平次を奥へ案内しなければなりませんでした。顔のよく売れた御用聞を、いつまでも店頭に置くことは、商売のためにも決して結構なことではなかったのです。
日頃の平次は、こんな術を用いるのは大嫌いでしたが、相手が頑固で策を施しようのない時は、出来るだけ神経を荒っ削りにして、こんな事もしなければならなかったのでした。
「昨日、日暮前の一番立て混んでいる時分に、若い御女中が一人、西陣の見事な帯を持っていらっしゃいまして、他所様から拝借した品だが、これと同じような帯が欲しいとおっしゃって、いろいろ御覧になった上、御気に召したのを一本お求め下さいました。ちょうどその時門付か何か来て、店先が騒々しかったもので、ツイうっかりしておりましたところ、お帰りになった後で気が付くと、見本に御持ちなすった帯を忘れてお帰りになったのでございます」