Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
「へッ、御冗談で、――とにかく、相手は若くて滅法綺麗な娘が一人、こっちは若い男が二人ですから、臆病窓からなんか物を渡す気になれなかったことでしょう」
番頭は世にも苦々しい顔をしました。
「その娘の後ろから、覆面の浪人者が、抜刀を持って飛込んだというのだろう」
「その通りで、親分さん」
「みんな同じ手だ、――で、その男は物を言ったかえ」
「申しました。が、『金を出せ』――とたったこれだけで、帳場にあったのを掻き集めてやると、黙って頭を振りました。通じない振りをして見ていると、『俺は物貰いじゃない、小判の外は金だと思わない事にしている』と言います。憎い野郎で――」
「それからどうした」
「何しろ抜刀を持っているのと、何となく腕が出来そうで、不気味でなりません。仕方がありませんから、主人と相談の上、三百両出してやりました」
「一緒に来た娘は、その間どうしていた」
「それが一向判りません。店中の者が吃驚している隙に、外へ出てしまいましたようで」
これ以上の事は誰に訊いても解りません。買物に来た娘の年頃は十八九、かなり良い容貌だったとは言いますが、夜来たのはその娘と同じ人間かどうか、それさえも判然しなかったのです。