Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
四
こんな程度の話では、手掛りを手繰り出しようはありません。
四
平次はその足で神田松永町の裏長屋に住んでいる、八人芸のお島を訪ねてみました。
「あら、銭形の親分さん」
お島は平次の顔だけはよく知っておりました。これから商売に出かけるところでしょうが、目鬘を付けて踊り歩くにしても、さすがに異装のまま自分の家から出かけるのが近所の人の手前極りの悪いものか、ここから平常着のままで出かけて、橋を渡って柳原の知合の家で、預けておいた装束に着換えるのが、お島の習慣だったのです。
「出かけるところか。邪魔をしちゃ悪いな」
「とんでもない、親分さん。まア一服なすって」
お島は家へ取って返して、平次とガラッ八のために、埋み火を起して、お茶の用意をしました。
見かけは二十一二ですが、もう少し年を取っているかもわかりません。町の芸術家には全く惜しい容貌で、第一その聡明らしさが、平次の同情をグングンと掴んで行きます。何を好んで八人芸などに身を落しているかわかりませんが、渋い茶をいれる手順なども、決してザラの娘ではなかったのです。
「此家にたった一人住んでいるのかい、お島さん。その若さじゃ、世間様が淋しがらせちゃおくまいが、少し物騒だね」