Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「まア」

「可哀想に引取り手がないから、まだ大川橋の袂に、筵をかけて投ってあるぜ」

八五郎は横合から口を出しました。

「…………」

「お前の父親を殺したのは、お前をここへおびき寄せた人間だ。――お前の父親の口から何もかもバレそうになって、八五郎の先廻りをして虐たらしいことをしたんだ」

「…………」

「お関、芝居はもうたくさんだ。お前がこの間話した、嬰児と嬰児を取換えるというのは、一応筋になりそうだが、実はそう容易く行く芸当じゃない。草加の百姓へお嬢さんを里に出して、立派なお旗本が三年も投っておく道理はないし、三年経って帰って来た偽首を屋敷中の者が皆んな気が付かないはずはない」

「…………」

平次の論告に圧倒されて、お関の浜路はタジタジとなってしまいましたが、それでも頑固に口を緘んで、実は――と言ってくれそうもありません。

「お前は黙っていさえすれば、よいつもりだろうが、黙っていると、婆やのお篠を殺した罪を背負って、処刑台に、その綺麗な首をさらすかも知れないよ。それも承知だろうな。この細工を引受けたのは、お屋敷の中では婆やだ。婆やが死んでしまえば、お前の乗込んだ経緯を、知ってる者はなくなる――」