Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
七
この騒ぎの中へ、八五郎が帰って来ました。
「親分、二軒とも違いなく行っていますよ」
「で?」
「時刻も合っているようです。――もっとも、神楽坂へ廻って、待ってなんかいずに音松を刺して、すぐ帰って来るような手順に行けば別だが――」
和七と仙之助は一応不在証明を持っているようですが、それが完全とは言いきれません。
「よしよし、俺にはだんだん解って来るよ。そこで番頭さん、今晩奉公人も親類の方も、皆んな集まって貰って下さい。あっしから話したいことがあるから」
「ヘエ――」
「八は番所へ行って、仙之助を貰って来てくれ、たった一と晩のことだから、なんとか話がつくだろう。平次が見張っていて、明日は間違いなくお返し致しますって言やいい」
「ヘエー」
八五郎を出してやると、平次はもういちど念入りに上総屋の外廻りを調べました。
七
その晩、上総屋の奥に集まったのは、家族、奉公人、近い親類などざっと十七八人。平次はその緊張した顔を見渡して、静かに語り出しました。
八畳と六畳を打ち抜いて、燭台が四つ、平次の前にはお染とお今。その横には和七と仙之助。親類方はその後ろへ、奉公人はその横に並びました。