Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
五
今までもちょくちょくそんな事をやっていたに違えねえ」
「ヘエ――」
「暁方帰って来て、梅吉と代ろうとして、気が付くと、錠がおりている。柱から鍵を外してあけて入って、梅吉の殺されていることに気が付いたんだろう。あんまり吃驚して、あわてて錠をおろして逃げ出し、もういちどお艶のところへ行った――?」
平次の空想は飛躍します。
「幾太郎が梅吉を殺す気なら、なにも囲いの中なんかで殺さなくたっていいわけだ。自由に囲いから出られるんだからな。――それに鍵を持っているのは、面喰らった証拠にはなるが、梅吉を殺した証拠にはならねえ」
「有難え、それで溜飲が下がるというものだ」
「待てよ。囲いの戸へ鍵をおろしたのは、幾太郎じゃないかも知れないな。海老錠は鍵がなくったっておろせるんだ」
平次は深々と考え込みました。恐ろしく簡単に見えていて、この殺しはなかなか奥がありそうです。
五
「八、こっちにもいろいろ面白いことがあったんだ。第一にこの黄楊の櫛だ」
「それがどうかしましたかえ」
「この櫛はお内儀のお篠さんのだが、どんな間抜けな下手人だって、梳き櫛を持って殺し場へ行く女はあるまい」
「…………」