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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

八

主人の六兵衛は呆気に取られました。一人娘のお美代を殺したのは、一番忠実らしい顔をしていた優男の谷五郎とは思いも寄らなかったのです。

「その野郎だよ、重三親分。――お美代に振り飛ばされて、桜屋の身上が手に入りそうもないので、娘を殺す気になったんだ。――本当は兼松を殺したかったんだろう。だが、兼松を殺すとすぐ解る。思い直して――可哀想にお美代を殺してしまったのだ、悪い野郎だ。――罪は兼松に背負わせる心算だったが、途中からお狩場の四郎の話を小耳に挟んで、兼松を助けるような顔をしたんだろう」

「親分、どうしましょう」

八五郎は捕縄を口でさばいておりました。

「十三丁目の親分に縛って貰うがいい。手前や俺の出しゃばる幕じゃねえ」

平次が言うまでもありませんでした。十三丁目の重三は、あわててお照の縄を解くと、庭へ飛び降りてキリキリと谷五郎を縛り上げます。

八

重三が縄付の谷五郎を引いて行った後、妙に突き詰めた心持で、皆んなはしばらく黙っておりました。

「親分、その娘は?」

八五郎は、何かしらきっかけを拵えなければやりきれない心持でした。

「お照さんは何にも知らなかったんだ。