Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
三
「誰だい、下手人は?」
「番頭の兼松さ。殺された娘のお美代と内々約束があったらしいが、近頃谷五郎という親類の若い男が入って来て、それが聟になる話が進んでいるんだ、よくある筋さ」
重三は本当に忌々しそうでした。強かな四十男で押にも力にも不足のないのが、こうと見込んで下手人を挙げそびれていたばかりに、銭形の平次がとんでもないでんぐり返しの種を持込んで来たのです。
「俺まで引合いに出されちゃ放ってもおけない。一と通り見ておきたいが――」
「いいとも、お狩場の四郎が身をやつして入り込んでいるかも判らないよ。念入りに捜してくれ」
重三は少しばかり厭がらせを交えて、平次に場所を譲りました。
三
桜屋の店の中は、不安と疑懼と、慟哭と懊悩とが渦を巻いておりました。山の手指折の物持で、新店ながら、質両替を手広くやっておりますが、たった一人娘の、なんとか小町と言われた、十九になるお美代が殺されては、気丈な主人六兵衛も半病人同様です。
母親に早く別れたお美代は、少しばかり我儘で蓮っ葉で、そして嘘つきでもありましたが、綺麗に生れついたのが何もかも償って、町中の若い男の人気を背負っていたのです。