Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
七
「親分さん」
「泣いたって追っ付くことじゃない。――この上、このお屋敷のお嬢さん――浜路さんに間違いがあったら何とする」
「親分さん、どうしたらいいでしょう」
「お前は本当に、父親に金をやって、こんな事をさせた相手を知らないのだな」
「え、私は何にも知りません」
「本当か」
平次はしばらくこの飛上がりな娘と睨み合いました。すっかり自尊心を失って、ときどき痙攣的に顫えてはおりますが、蒼白く引緊った顔は旗本屋敷などにはない不思議な魅力です。
「親分、勘弁してやって下さいよ。可哀想に」
ガラッ八はたまり兼ねて助け舟を出しました。フェミニストの八五郎はこの上お関の困惑するのを見てはいられなかったのです。
「馬鹿ッ」
「ヘエ――」
「お前は外へ行ってみろ。先刻の十文字になった竹は、もう隠された頃だ。あの竹が見えなくなったら俺を呼べ」
「ヘエ――」
八五郎は飛んで行きました。
「お関、今お前の父親の仇を討ってやる。見ているがいい」
「…………」
そんな事を言う間もなく、外から八五郎の恐ろしくでっかい咳払いが聴えます。
七
「御用ッ」
平次が飛付いたのは、掛り人の宇佐川鉄馬でした。
「あッ、何をするッ」