Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
二
「勿体ないって奴があるかい」
「とにかく、三浦屋のお職まで張った女が、袈裟を掛けて数珠を爪繰りながら歩くんだから、象の上に乗っけると、そのまま普賢菩薩だ」
「いい加減にしないかよ、馬鹿馬鹿しい」
「色白で愛嬌があって、こう下っ脹れで眼の切れが長くて、唇が真っ紅で――好い女でしたよ、親分。その熟れきった良い年増が、庵室に入っていよいよ尼さんの玉子になろうという前の晩、滅茶滅茶に斬られて死んだんですぜ。こいつは近頃の面白い話じゃありませんか、御用聞冥利、ちょいと覗いてみませんか、親分」
ガラッ八の八五郎は生得の順風耳を働かせて、江戸中からこんな怪奇なニュースを嗅ぎ出して来ては、親分の平次の出馬をせがむのでした。
二
「玉の輿の呪い」以来、平次の腕に心から推服している三つ股の源吉は、このお小夜殺しをすっかり持て余してしまって、五日目には平次のところへ助け舟を求めに来たのでした。
「銭形の親分、俺にはどうも見当が付かねえ。十手捕縄を預かって、そんな事を言っちゃ、お上に対しても済まねえわけだが、縄張のうちに殺しがあるというのに、五日も経って下手人の匂いのあるのさえ挙げ兼ねたとあっちゃ、俺の顔が立たねえ。