Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「私は、あの、そんなお金は、出て来ない方がよいと思います」

お染は少し涙ぐんでおりました。奉公人や親類方が、隠された金を探し廻って、気違いじみた打ちこわしを始めるのを、お染はどんなに苦々しい心持で見ていたことでしょう。

「すると、お気の毒だが上総屋の身上は持たないそうですよ」

「それでも構いません」

「お嬢さんは、お武家方から来るという、養子が嫌なのですね」

「…………」

お染は黙ってしまいました。

「死んだ重三郎は、店の者の受けはどうでした」

「さア、私には」

お染は内気らしく尻ごみをします。

「お嬢さんは仙之助をどう思います」

黙って顔を染めた娘の顔から平次は何もかも見抜いた様子です。

五

「さア解らねエ――親分、これはいったいどこに眼鼻があるんでしょう」

ガラッ八は四方構わず張り上げました。

「何万両かの金はどこかに隠されているのさ。それを皆んなで、一生懸命捜し廻っているんだ。命がけの宝探しだよ」

「ヘエ――」

「殺された重三郎の身体を見よう」

平次はガラッ八と富蔵を促して重三郎の死骸から筵を剥ぎました。

「おや?」

ガラッ八はギョッとした様子で重三郎の傷を眺めております。