Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
四
「皆んな親切な良い方ばかりですから」
「若旦那の幾太郎も親切か」
お桃の顔はサッと暗くなりました。
「若旦那を怨んでいる者は誰だ」
「…………」
「お前は、どう思う」
「…………」
お桃は何とも言いませんが、襟に埋めた頬は、したたか涙に洗われております。
「お前の外に、若旦那を怨んでいる者はないのか」
「ございません」
「御新造を怨んでいる者はあるだろう。あの通り若くて綺麗で、気性者らしいから」
お桃は黙って頭をふりました。
「お仲は御新造にひどく叱られた事があるだろう」
「え」
「何か粗相でもしたのか」
「いえ」
お桃はまた口を緘みました。が、平次はそれを開けさせる必要もありません。番頭の佐助から訊くと、お仲は古川柳にある通り「若旦那様」と金釘流で書いた一通を落して、御守殿風のお篠にひどく叱られたことが解ったのでした。お篠にとっては「不義はお家の厳しい法度」だったのです。
四
「親分」
ガラッ八は少し息をきって囁くのでした。
「何だ、幾太郎はやはり女のところに居るんだろう」
「居ましたよ。そこを、お神楽の清吉の野郎が、バッサリ縛って行ったんだから、腹が立つじゃありませんか」
「お前の手落ちだよ。