Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
四
お磯の言葉は相変らず毒を含みます。
「それが幾松の行李に入っていたのはどういうわけだ」
「まア」
「おいおい小僧さん、この脇差は誰のか知ってるかい」
「若旦那のですよ」
二人の小僧は声を揃えました。
「こいつは変だぞ。島吉兄哥――今度は上の行李を見よう」
平次と島吉は、押入の上の段の行李を出して念入りに調べましたが、そこには何にも変ったものがありません。
四
「親分、とうとう口を割りましたよ」
わめき込んで来たのは八五郎でした。
「なんだ、下手人が白状でもしたというのか」
と平次。
「そんな大したことじゃねえが、――幾松はとうとう昨夜行った先を言いましたぜ」
「なんだ、そんなことであわてて飛んで来たのか、見張っていろと言ったのに」
「大丈夫、下っ引に見張りを頼んで来たから、変な素振りを見せると、すぐ縛ってしまいます」
「で、幾松は昨夜どこへ行ったんだ」
「それが大変なんで、――お美乃さんなんかの前じゃ言えなかったわけでさ」
「どこだ」
「一番たちの悪い場所、――一番極りの悪いところで、へッ」
「江戸中にそんな恥っかきな場所があるのかい」
「今にも磔柱を背負わせるように脅かして、ようやく白状させましたよ――本所の安宅長屋で丸太(船比丘尼)を相手にしていちゃ、幾松口がきけないのも無理はありません。