Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

とおっしゃって、淋しそうに笑っておいでになりました」

「飼犬に手?」

平次は考え込みました。飼犬という言葉の意味は、誰を指すのか判りませんが、少なくとも三文字屋を怨んでいるという、岩田屋福次でないことだけは明らかです。

下女のお作は、醜い顔と、正直な心とを持っているように平次は鑑定しました。この鑑定に間違いがなければ、下手人は小三郎か幾松か、市助か――いやいやまだ外に三文字屋の店にいる人間があるかもしれません。

平次は八五郎に小三郎と幾松の見張りを言いつけ、島吉と一緒に三文字屋に行ってみました。

ここにはお磯という親類の娘の外に小僧二人と下女が二人いるだけ。お磯の外の者は、何を訊いても大した役に立ちそうもありません。

「主人といちばん仲の悪いのは誰だえ」

「小三郎さんですよ」

お磯の答えは簡単で予想外でした。

「それはどういうわけだ」

「小三郎さんは、どこかの船頭の子だそうで、十三の時親知らずの約束で貰い、それから十年のあいだ丹精して育てた上、お美乃さんと一緒にして、この大身代の跡取りにすることになっているのに、あの通りのわからない人で、大旦那を怒らせてばかりいるんです」