Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
――昼三の太夫なんて贅は望まないが、せめて金猫銀猫とか、櫓下へ行くでもとか――」
ガラッ八は無暗に唾を吐き散らします。
「まアいいやな、怒るな。――ところで相手の名ぐらいは聞いて来たんだろう」
「おえのという女だそうで、名前からして粋じゃありませんよ」
「黒い頭巾に腰衣は、とんだ粋なやつさ。ついでにそのおえのを生捕って、昨夜幾松が何刻から何刻までいたか聴いてくれ。どうせ昼は高瀬舟に乗っているわけじゃあるめえ。塒にいるのをそっと捉えて柔んわりと訊くんだ。脅かしちゃいけねえよ」
「心得ていますよ」
ガラッ八はもういちど飛んで行きました。
「これで大方眼鼻が付いたろう。俺はさいしょ幾松が臭いと思ったが、高瀬舟や安宅長屋に潜っていちゃ人殺しはできない。万一そんなことが知れちゃ、お店者は一代の恥っかきだ。――八五郎が帰って来て幾松が一と晩安宅を動かなかったと解れば、小三郎を縛ってまず間違いはあるまい。それに、自分の脇差を使って、よく洗って幾松の荷物へ入れて置いたのは憎いやり方だ。いいかえ、島吉兄哥、俺はこれで帰るから」
「有難え、銭形の。お蔭で一日のうちに埒が明いてしまった。