Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「狐が噛み付くとでも思うのかい」

「狐は心配ないが、また崩れたらどうするんです」

「いちど崩れたんだもの、もう大丈夫さ。仕掛けは種切れだよ。そんな心配するより蝋燭を持って来てくれ。提灯には及ばねエよ、中は狭い上に浅い様子だ」

平次はそんな事を言いながら、恐ろしく念入りに穴の入口を調べ始めました。

「ヘエ、親分蝋燭」

裸蝋燭を二本、灯をつけたまま持って来たのを受取って、平次はもういちど穴の中へ潜りましたが、やがて尻の方から出て来たのを見ると、失望の色が蔽うべくもありません。

「どうした、銭形の」

富蔵もキナ臭い鼻を持出しました。

「千両箱はおろか、ろくなお賽銭もないよ」

平次は泥だらけになった着物を払いながら、苦笑いをしております。

「それじゃ、親分」

ガラッ八もなにかつままれたような心持でした。

「中は恐ろしく狭い上に、苔で一パイさ、千両箱なんか隠せる場所じゃねエ。それに、穴守のお狐もそう言っていたよ。生れてまだ千両箱と鼠の天プラにはお目に掛ったことはないってね」

「親分?」

「解ったよ八。お前は、金を隠していない場所に、危ない仕掛けをしたのがおかしいって言うつもりだろう。