Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
そんな事があり得るだろうか、と言ったような平次の顔を見ながら和七は一生懸命弁解に努めるのです。
「それで商売の方はうまく行っているんだね」
「ヘエ、それはもう」
「お前さんはこの店に幾年居るんだ」
「足掛け三年になりますが――」
「それで支配人というわけか、前の大番頭はどうしたんだ」
「不都合なことがあって、身を退いたそうでございます。もっともその方は二年くらいしか居なかったようで」
「この家は番頭が長く勤まらないのだね」
平次は妙なところに気が付きました。
「そんな事もございません。現に仙之助などは、七年も勤めているそうで――」
「その番頭だけ居るんだね」
「…………」
和七は気拙そうに黙り込んでしまいます。
「ところで、上総屋の身上はどれほどあるだろう。支配人のお前に見当が付かないことはあるまいが――」
「それが、その、――地所と貸金では差引勘定借りの方が多くなります。世間の評判通り、何万両という金を隠してあれば別ですが」
世間の噂では――上総屋の土蔵の中は小判が一パイ。それを泥棒に狙わせないために、入口の方へは何千貫とも知れぬ青銭と鐚銭とを入れておくとか、土蔵三戸前の腰張りの内側は、ことごとく金蔵になっていて、何万両とも知れぬ大判小判が入っていると言われておりますが、三つの土蔵は主人が死ぬと同時に、たった一人残された娘