Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「親分さん、どんな証拠があっても、小三郎さんは、本当の親を殺すはずはありません」

「何? 真実の親?」

「え、小三郎さんは、父さんの――三文字屋久兵衛の血をわけた本当の子だったんです。私こそ反って義理のある娘だったんです」

お美乃の言葉は、平次にとっても驚きです。

六

「それはどういうわけだ、詳しく話してくれ」

平次はとうとうお勝手の板の間に坐り込んでしまいました。

その後ろに八五郎、その横にはお静が、ただわけもなく固唾を呑みます。

「小三郎さんは父さん(久兵衛)の本当の子ですが、母親は深川の芸者で、親類の手前や、配偶の思惑があったので、誰にも知らさずに、船頭の浪五郎という人に、お金をつけてやりました。そこで十三まで育てられた小三郎さんは、三文字屋に男の子がなかったので、今から十年前に引取られましたが、船頭の子で育っているから、町人に向くか向かないか、子柄の見定めが付かないから、しばらく奉公人並に使ってみると言って、去年の秋まで奉公人と少しも変らない扱いでした。ですからお店でも、世間でも、小三郎さんを父さんの本当の子とは知りません」

「本人は?」

平次は一番大事な問いを忘れませんでした。