Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
二
八五郎は一生懸命の抗弁です。
「だが、江戸の街は広いようでも、人間一人殺して、一と月も知れないように始末するのはむずかしいぜ。近頃は大川にも身許の知れない死骸が浮んだという話を聴かないようだ」
「でも、あの金蔵という男ばかりは、信心ごとなんかじゃ動きませんよ、――欲得ずくなら、どこまでも乗出すでしょうが」
「欲得ずくで出たのかも知れないよ、――三十三四の強かな男が、誘拐されるはずもあるまいから」
平次の話は、含蓄の深いものです。
二
丸屋へ行ってみると火の消えたようでした。めぼしいものは町役人に預け、小僧の要吉は傷が癒ったばかりで、下女のお留の外に、伝助という中年男と一緒に、淋しく留守をしております。
「お前は伝助といいなさるんだね」
「ヘエ――」
「どんな係り合いなんだい」
「旦那がいらっしゃる頃から、チョイチョイお手伝いに参りました」
「商売の方をか?」
「算盤とは縁のない人間で、ほんの使い走りか、留守番でございますよ、ヘエ」
卑屈そうに四十男の伝助は、続けざまに四つ五つお辞儀をするのでした。
「先月十七日の晩はどこにいたんだ」
「成田様へ詣りました。町内の衆が十三人で、ヘエ、お蔭様で丸屋の旦那が行方知れずになっても、私にはなんの係り合いもございません」