Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

丸屋は留守番の伝助が縛られて、下女のお留と小僧の要吉とたった二人になりましたが、事件の片付くまでは、この大事な証人を外へやるわけに行かず、五人組が交代で来て泊ることになったのです。

いきなり裏口から庭へ入って行った平次は、思いの外手の届いた庭を見渡して、お勝手口に顔を出したお留に訊きました。

「ここへ植木屋が入るのかい」

塩の辛い鮭さえ贅沢と思う家に、植木屋を入れるのは少し変なようにも思います。

「いえ、何年にも植木屋さんの入ったことはありませんよ」

「それにしちゃ綺麗じゃないか」

「旦那が鋏をお使いになりました」

そういえば植込みの刈りようがひどく不器用です。

「池も掘ったのかい」

まだ真新しく土を掘り返して、狭い庭に小さい築山が拵えてあります。

「どうせ低い土地で、雨が降ると水が溜まってかなわないから、三和土にして金魚を飼ってみようと言っていましたよ、夏になると蚊が出て困りますから」

「主人が自分で掘ったんだね、――鍬か鋤があるかい」

「え、物置に鍬がありますよ」

まさか手では掘れないでしょう――といった下女の顔を見ると、ガラッ八はグイと肩を聳やかしました。