Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
「え、念のために開けてみようとすると、海老錠が抜けていましたよ」
お留の言葉が、すっかり平次を考えさせます。
「八、金蔵は麻裏草履をはいて、手拭を冠って、鍬を持って行ったんだぜ、――財布は持っていなかったはずだ。四日後に伝助が盗んだから」
「どこへ行ったでしょう、親分」
「何か掘りに行ったんだ、――お寺はどこだい、菱屋のだよ」
「橋場の総泉寺ですよ」
「行ってみよう」
平次と八五郎は、真っ直ぐに総泉寺へ行きましたが、なんの変ったこともありません。
「金蔵はここへは来ませんよ、親分」
「見当が違ったようだ。新鳥越の菱屋の屋敷跡へ行ってみようか」
「…………」
そこからは、ほんの一と丁場です。三年前まで、万両分限の栄華を誇った菱屋の跡は、取壊した跡の礎と、少しばかりの板塀を残すだけ。繁るがままの秋草ですが、それでも気をつけて見ると、人間の通ったらしい跡が、ほんの少しばかり草が踏みつけられております。
「おや?」
先に立ったガラッ八が指しました。草叢の中に一箇所、真新しい土が掘り返されて、その上へ、幾つかの石を載せたところがあるのです。
「八、鍬でも鋤でもいいから借りて来てくれ」