Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「御用ッ」

と表からガラッ八が踏込むと、道楽者らしく昼寝から起きたばかりの利八、早くもズキが廻ったと覚って、

「何をッ」

煙草盆を取って投げつけました。灰の目潰しの中に、ひるむガラッ八。平次はそのとき早くも裏口に廻って、

「利八。手向いするかッ」

背後から一喝をくれました。

「親分、恐れ入った」

投げ銭を用いるまでもなく、ドッカと板の間に坐った利八。匕首を投り出すと、素直に後ろ手を廻します。

*

これは後で判ったことですが、うっかり一刻早く三五郎の賭場を飛び出した利八、月の光に照らされながら、新鳥越の菱屋の屋敷跡の前を通ると、中からコソコソと清次郎の出て来るのを見たのです。

フトお茂の言葉を思い出すと、利八の好奇心は燃え上がります。根が胆の太い利八は、物に遠慮も躊躇もありませんでした。草叢をわけて屋敷跡へ入ると、変な男が一人、四五尺の穴を掘って、一生懸命底の方をあさっているのです。ヒョイと腰を伸したところを、月の光に透して見ると紛れもない金蔵、――この野郎がお茂を横取りしたと思うと、ムラムラと我慢のならない気持になりました。見ると穴の口には一梃の鍬があります。