Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
ここへ入り込んで、宇太八と謀し合せて、父親の怨みを晴らす心算だったに違いないが、そんな事をするにしちゃ、お照さんは人間が立派すぎた」
「…………」
平次は畳の上に両手を突いて、顔を挙げられないほど泣き入るお照を見やりながら続けました。白い首筋、桃色の耳朶、美しくも悩ましい嘆きの姿です。
「宇太八には責められたが、お照さんは仕返しのような事は何にも出来なかった。そのうちに半歳経った。――もう諦めて引揚げようと思っているところへ思いも寄らぬ主人の娘が殺された。誰が殺したか知らないが、せめてはこの人様のした事で、父親が死ぬまで言いつづけた怨みを形ばかりも晴らす気になった。――お照さんは養い親の宇太八を訪ね宇太八に文句を作らせて、あんな手紙を書いた。この平次に届けたのは、三年前、父親のお狩場の四郎を縛った、この平次にも思い知らせるためだったに違いない。――その通りだろうな、お照さん」
「…………」
お照は涙にひたりながら、二つ三つうなずきました。
「お前は善人だ。父親の死際の怨みを引継いだつもりでも、悪いことは出来なかった。――意見をするわけじゃないが、お前の父親は悪事が重なったばかりに、お上の御法の裁きを受けたのだ。