Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
二
「なるほど、そいつは面白そうだ。最初から筋を通してみな」
平次はだいぶ乗気になりました。
「こうですよ、親分」
ガラッ八は吐月峰をやけに引っ叩くと、煙管を引いて物語らんの構えになります。
二
牛込肴町に町道場を開いている、中条流の使い手柴田弾右衛門、一年前から軽い中風に罹って、起居も不自由ですが、門弟たちが感心に離散しなかったので、この正月も、恒例の十一日に稽古始めを行い、鏡餅を開いて深夜まで呑みました。
門弟といっても、筋の良いのは一人もありません。柴田弾右衛門は恐ろしく気楽な男で、門弟の身分などに選り好みを言わなかったのと、百姓町人といえども、身のたしなみに一応の武技は心得ておくべきであるという建前で、門人の半分以上は町の若い者たちに、無禄の浪人ども、それにほんの少数の裕福でない御家人の子弟が交っているという程度のものでした。
門弟の中で、川波勝弥と林彦三郎は抜群の使い手で、この二人が柴田弾右衛門に代って稽古をつけてやっておりました。勝弥は二十八、彦三郎は二十六、どちらも浪人で、どちらも元気者で、その外には、町人側に大工の柾次、植木屋の五助、御家人の子の岸松太郎、大原幸内などは、いずれも若くて腕っ節の良いところでした。