Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「因縁事じゃそれほどの腕利きを一人殺せないよ。いくら酔っていたにしても、脇差で背中からえぐられるまで知らずにいるはずはない」

平次はもう事件の中へ頭を突っ込んで行きます。

「だから、林彦三郎が一番臭いということになるでしょう。川波勝弥を芋のように刺せるのは、林彦三郎の外にはない。おまけに、その日一本勝負でひどい負けようをしている」

「それっきりの話なら、わけはないじゃないか。強いと言ったところで、浪人者の一人や二人、縛って縛られないことはあるまい」

「その通りで、手に余るから親分の力を貸して下さいってわけじゃありません。借りたいのは親分の智恵の方で」

「お安い御用みたいだが、小出しの智恵は出払ってるよ」

「ね、親分。その林彦三郎は、川波勝弥よりも呑んで、ベロンベロンに酔払って、下男部屋へ転げ込んで、泊ってしまったとしたらどんなもので」

「フーム」

「下男の熊吉、――こいつは五十そこそこだが、生れたままの独り者で、もっとも松皮疱瘡で二た目とは見られない顔だが、道場のだれかれに聴いてみると、正直者で通っているということです。この熊吉が宵から林彦三郎の介抱をして、小用場へまで一緒に行ってやったというんだから、こいつは嘘じゃないでしょう」