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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「それに――」

「林彦三郎がお半の身代りに縛られたのなら、お半が黙っていないはずだ。彦三郎が縛られたと聴いても、お半は驚きも歎きもしなかったのは変じゃないか」

「なるほどね」

感心した所で、ガラッ八には何が何やら見当がつきません。

「林彦三郎は口書き拇印も済んで、伝馬町へ送られるという話だ、困ったことだな」

何かしら、平次にも鬱陶しい日が続いたのです。

二月になって、ある薄寒い日の夕方のことでした。

「お客様ですよ、お前さん」

お静は半分目顔に物を言わせて取次ぎます。

「どんな方だ」

「若い、お武家方のお嬢さんで」

「丁寧にお通し申すんだ」

平次はとうとう来るものが来たような気がしたのです。

「親分、道場の一件でしょうね」

「そんなことだろうよ」

八五郎は急に坐り直しました。狭い着物から、膝小僧がはみ出します。

「親分、とんだ御迷惑を掛けました」

そっと滑り込むように、畳に両手を落したのは、やはり柴田弾右衛門の二番目娘お半です。

「あ、お嬢さん、お父さんは」

「亡くなりました。――今朝ほど」

「やっぱり、ね」

「あとあとのことは、門弟衆にお頼みして参りました。私を縛って下さいまし」