Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
と平次。
「ヘエ――」
「呑気な御用聞だね」
「お半でなし、林彦三郎でなし」
「もう一人いるじゃないか」
「あ、あの中気病みの――」
「そうだよ、柴田弾右衛門だよ。中気が当ったといっても半歳ほど前のことで、近頃は庭へも出られるようになっていたんだ。川波勝弥のすることが弾右衛門には門弟ながら憎くてたまらなかった。それに少しの油断から手文庫の伝授書を奪われ、その上大事の二番目娘お半までおびき出されそうになったので、死物狂いで追いすがって、脇差で背後から刺したのさ。さすがに中条流名誉の腕前だ、名乗って正面から向っては敵わなくとも、後ろからなら門弟の一人ぐらいは成敗できる。そのまま帰っては来たが、心と身体を使いすぎて二度目の中気にやられた」
「なるほどね」
「その後へお半が行って脇差の始末をし、姉の怨みを晴らす心算で、形見の懐ろ鏡を死骸の側で割って来たのさ。若い娘だから、後に証拠の残ることなどは考えない。あの世とやらへ行って、川波勝弥と姉のお類の縁が切れなきゃ困るだろうとでも考えたんだろう」
「…………」
ガラッ八も固唾を呑みました。妙に身につまされた心持です。