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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの女――というのは御新造のことだろう。お前にはお主じゃないか」

「でも継子くらいは殺し兼ねませんよ。お屋敷擦れがしてる上に、ヤットウだって知っているし」

「呆れた女だ。――御新造のことじゃない。お前の太いのに呆れているんだよ」

お仲はさめざめと泣きだしました。

「ところで、八」

「ヘエ――」

「幾太郎が暁方帰って来たと言ったね」

「え、お艶に言わせると、夜が明けてからだったそうですよ」

「お前がここへ来たのは?」

「卯刻半(七時)そこそこで」

「血は凝まっていたかい」

「膠のように乾きかけていましたよ」

「殺したのは宵だな。――幾太郎が本当に暁方来たのなら、下手人じゃない。自分が宵に梅吉を殺して出かけたなら、暁方にもういちど帰って、面喰らって鍵を持って行くはずはない」

「それは大丈夫で、あの薄情なお艶がペラペラ喋舌った事ですから」

「薄情な女がいちばん結構な証人になるわけだな」

「お蔭でお神楽の清吉は馬鹿を見ますよ」

ガラッ八は妙なところへ力瘤を入れます。

「つまらねえところで溜飲を下げたって、お前の男があがるわけじゃあるめえ。それより下手人を挙げる工夫をするがいい」

「まるっきり見当がつきませんよ、親分」