Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
黙りこくって、その開いた戸の中へ提灯を入れた平次。
「あッ、やはり」
何もかも手遅れでした。平次の探索が身近く来て、不意にお桃の方へ外れると知るや、忠義な番頭の佐助はそこで首を縊って、罪の償いをしてしまったのです。
帳場硯の上においた、哀れ深い遺書を見ると、
近頃になって梅吉の悪事を知り、店の支配人としての責任を取るため、わざと囲いの中にいる梅吉を殺した。幾太郎を弄んでいた悪事を知らせるためだった。
と書いてあります。算盤の事しか知らない佐助は、お艶のところにいるはずの幾太郎に疑いがかかるとは気が付かず、もとよりお桃など引合いに出るとは思いも寄りません。
たぶん何もかも済んで、潔く自首して出るつもりのが、機会をうしなってこんな事になったのでしょう。
「大縮尻だよ。でも、これでよかったのだ」
そう言いながら銭形平次は、忠義な老番頭の死骸の前に両掌を合せました。
*
それから幾日か経ちました。
「親分、幾太郎はようやく目が覚めて、お艶と手をきって、お桃と一緒になったそうですよ」
早耳の八五郎が、嬉しいニュースを持って来てくれました。
「それで目出たし目出たしさ」