Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰だい、そいつは」

「あわてちゃいけない。俺は江戸の町方の御用聞だから、八州の役人が頑張っていちゃ、いくら兄哥の手伝いでも仕事が出来ない。こう追っ払っておいて、それから仕事をはじめるのさ」

「ヘエ――」

平次の話の意外さ、喜八はすっかり胆をつぶしてしまいました。

「第一、昨日まで恐ろしく景気のよかったという、伊太郎が百も持っちゃいないだろう」

「フーム」

「小判はおろか鐚銭一枚入った財布を持っちゃいない。照吉の方は財布は持っているが一文なしだ」

「…………」

「二人が死んだ後で、誰か伊太郎の懐を抜いたに違えねえ。が、こんな虐たらしい死骸から財布を抜くのは通りすがりの人間でない事は確かだ」

「なるほど」

「それに、伊太郎の傷は前から突いた傷だが、照吉は後ろから大袈裟に斬られている。背の方が深く斬り下げられているし、前は刃先が浅いから、こいつは間違いはない。こんな具合に前から斬るためには、踏台でもしなきゃなるまい」

「フーム」

「伊太郎は自分の胸を突かれながら、踏台をして照吉の肩先を斬り下げたか。――照吉が大地に坐って肩先を大袈裟に斬られながら、伊太郎の胸を突いたか」

「すると、どんな事になるんだ、銭形の」