Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分ちょいと――」
ガラッ八の八五郎は、膝小僧で歩くように、平次のとぐろを巻いている六畳へ入って来ました。
「なんだ八、また、お客様をつれて来たんだろう。今度はなんだえ、若い人のようだが――」
「どうしてそんなことが判るんで? 親分」
「お前の顔にそう書いてあるじゃないか」
「ヘエ――」
ガラッ八は平手で長い顔をブルブルンと撫で廻すのです。
「平手で面を掻き廻したって、人相が変るものか。馬鹿だなア」
「ヘエー、そんなもんですかねエ」
「庭へ長い影法師が射して、せっかく明神様の森から来た、藪鶯が啼き止んだじゃないか。若くてイキの良い人間が門口に立っていることが解らなくてどうするんだ」
「なるほどね、そう聴くと一向他愛もありませんね。おい、手代さん、遠慮することはねえ、親分は見通しだ、ズッと入って来なさるがいい」
ガラッ八は表の方へ身体をねじ曲げて、門に立っている人を呼込むのでした。
「それじゃ親分さんは逢って下さるでしょうか」
「逢うも逢わねエもあるものか、俺が承知だ。真っ直ぐに入って来るがいい。ねえ親分、これが本銀町の浅田屋の手代で、幸吉さんというんだが、とにもかくにも、一つ話を聴いてやって下さいよ」